活動報告

放送は終了しましたが、岡山県議会のホームページ・テレビ広報番組

https://www.pref.okayama.jp/site/gikai/12-02.html

で視聴できます。


岡山県議会では、年間8回の広報テレビ番組を制作・放送しており、今回は、岡山市内にある「おかやま信用金庫内山下スクエア」で収録を行いました。

直面する県政の課題「地域を支える産業振興」について、4名の議員が意見を交わします。

放送日時等は次のとおりですので、皆さま、ぜひご覧ください。

(概 要)

1 番組名    

  みんなの岡山県議会 ~地域を支える産業振興~

2 放送局    

  テレビせとうち(TSC)

3 放送日時

  令和3年3月13日(土曜日)13時から13時30分まで

 (再放送 3月15日(月曜日)13時55分から14時25分まで)

4 出演者    

  自由民主党   江本 公一 議員

  自由民主党   小林 義明 議員

  自由民主党   田野 孝明 議員

  自由民主党   大森 一生 議員

放送後は県議会ホームページからもご覧いただけます。




自由民主党  田野 孝明 議員

[一括質問]

1 送り付け商法について

2 薬物について

(1)監視体制等

(2)普及啓発

3 地域防災力の充実強化について

4 ドローンについて

5 虐待対応支援システムについて

6 畜産農家への支援について


【田野孝明 県議会議員】

 一般質問3日目,本日最後の一般質問でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 自由民主党県議団田野孝明でございます。

 9月議会に登壇の機会をいただきまして,感謝申し上げます。

 7年前,オリンピックの東京開催が決まったときに,2020年がこのような年になるとは,想像できませんでした。コロナ禍がなければ,世界のアスリートたちが続々と日本に集まり,華麗なパフォーマンスに若者たちは魅了され,今後の日本にとっても大きな刺激を得ていたことでしょう。また,一生のうちに2度目のオリンピック・パラリンピックが観戦できると,楽しみにされていた方も多いことと思います。来年のことは,分かりませんが,新型コロナウイルスの収束が世界的になされることを祈るばかりです。いずれにいたしましても,コロナ後は,今までの発想では駄目であって,全く新たな気持ちでスタートすべきだと考えております。令和時代にふさわしい新総裁と安倍前首相から祝福をされた菅義偉自由民主党新総裁は,16日に第99代首相に選出されました。日本丸のかじ取りをよろしくお願いいたします。

 新たな気持ちで臨んでいきたい岡山県知事選挙は,来る10月8日に告示されます。伊原木隆太知事にとりましては,3選に向けての挑戦でございます。私もしっかり応援させていただきます。

 それでは,通告に従い質問に入らせていただきます。

 最近,えたいの知れないものが突然送られてくるという事例が新聞で報道されるようになりました。黒い種のようなものが入っており,送付先は中国からで,送り主に心当たりはなく,困ってしまうというものです。さらに,別の事例では,注文をしていないのに指輪が送りつけられ,約20万円の請求書も添えられていたとのことでした。特定商取引法では,注文をしていない商品が届いた場合,その代金を支払う必要はなく,2週間経過すれば,処分できると規定されているため,慌てて送付元へ連絡する必要はありませんが,突然身に覚えのない商品が送りつけられ,さらに高額の請求書が添えられていたとなると,動揺し,冷静な判断ができなくなることは十分にあり得ることだと思います。仮に,こういった悪質な事例を事前に知っていたとしても,いざ当事者になった場合は,やはり少なからず動揺してしまうものでございます。このような身に覚えのない商品などが突然送りつけられる,いわゆる送りつけ商法は,現在,岡山県においてどのくらい発生しているのでしょうか。また,送りつけ商法などからの被害は,被害を未然に防ぐために,県はどのような取組がなされているのでしょうか。岡山県における現状とその対策,課題や今後の取組についてお聞かせください。県民生活部長にお尋ねいたします。

 今月8日に,自宅で大麻を所持していたとして,芸能人が逮捕されるというニュースが流れました。去る7月10日にも,広島県警は,大麻を液状体に加工した大麻リキッドを自宅で所持していたとして,大麻取締法違反で元プロ野球ロッテの米国籍の選手を逮捕いたしました。大麻リキッドとは,大麻から幻覚成分を抽出・濃縮した新しいタイプの大麻加工品です。大麻は,極めて有害な薬物で,乱用すると知覚が変化し,集中力がなくなり,情緒が不安定になります。また,乱用を続けると,社会生活に適応できなくなることもあります。麻薬取締官に言わせれば,「薬物は強烈な毒性を持つ魔性のウイルスだ。新型ウイルスが上陸すると,瞬く間に飛散し,多くの乱用者が出る。乱用者が出れば出るほど,犯罪組織はもうかる。」とのことです。そしてさらに,「薬物は個人の健康を害するにとどまらず,家族,職場を破壊し,地域社会や国家に大きな弊害をもたらす。これが事実だ。」とのことです。

 「違法薬物は,多種多剤が海外で生産され,続々と日本へ密輸される。」という一文を読みますと,今後のIT社会の中で,静かに進行するのではないかと,大変危惧しております。ネット上の密売人は,言葉巧みに活動することが考えられます。大麻事犯の検挙者数は,2009年をピークに,2013年までに減少を続けていましたが,2014年に増加に転ずると,2015年には2,000人を突破,2017年には3,000人を超え,2018年には3,500人を超え,毎年500人ずつ増えている状況にあります。また,大麻事犯の検挙者数は,検挙者数の30歳未満の占める割合は54.5%というのが気になるところであります。今後,ますますインターネット環境は整備されてくると思います。そうなれば,個人が簡単に大麻などの違法薬物を手に入れることができてしまう状況も,さらに増えることが予想されます。付け入る隙を見せれば,どんどん入ってきてしまうと思います。インターネットを利用した大麻など,違法薬物の密売について,監視体制や取締り等の取組状況,課題,その対応等,警察本部長の御所見をお伺いいたします。

 薬物の乱用で,脳は深刻なダメージを受けます。特に,脳が発達段階にある小学生や中学生,高校生の時期は,大人に比べ,影響を受けやすく,障害を引き起こすこともあります。一度ダメージを受けた脳は,元の状態に戻ることはなく,その障害は一生ついて回ることとなります。また,薬物を乱用すると,やめたくてもやめられない依存状態に陥ってしまい,薬物の効果が切れることによって起こる不快感や苦痛から逃れるために,乱用を繰り返すことになってしまいます。さらに,薬物乱用により,正常な判断ができなくなり,幻覚や妄想に襲われ,事故・事件を引き起こしてしまったり,薬物を手に入れるため,さらに強盗などの犯罪に手を染めてしまうという場合もあります。インターネット等では,「大麻には害がない」といった誤った情報が氾濫しており,インターネット等が身近な若い世代が,そうした情報に触れて手を出してしまいかねない状況をつくるのではないかと大変心配しています。

 先ほども触れましたが,ここ数年,大麻における検挙者が急増しており,30歳未満の若者が多い状況です。薬物に手を出してしまう前に,その恐ろしさを子供たちに教え,薬物乱用を未然に防止することが大変重要です。既に取り組んでおられることとは思いますが,一層の普及啓発に取り組んでいただきたいと思います。薬物の乱用から子供たちを守るために,学校で行っている取組や今後の対応などについて,教育長にお伺いいたします。

 さて,インターネット社会の危険な部分について質問いたしましたが,次に,安全・安心の岡山県づくりについて質問いたします。

 自然災害は,どうしようもない気持ちにさせます。被災してしまうと,復旧・復興しなければなりません。復旧・復興の工事に携わった方の意見ですが,「もともとこんな危ないところに,という建物がある。今では危険予測ができるため,安全な場所に家を建てることが重要だと思います」とのことでした。現在,多くの市町村が自然災害による災害想定を示すハザードマップを作成しています。ハザードマップを確認することで,自然災害が発生した場合,自宅や勤務地がどのような被害を受けるのか,あらかじめ知ることができます。被害想定を知れば,早めの避難にもつながります。県において,改めてハザードマップの周知徹底をお願いいたします。

 加えて,過去の地震,風水害のデータをできるだけ丁寧に説明すれば,より効果があると考えます。また,現在,自然災害が想定される危険な場所については,以前先輩議員も質問されておられますし,国も考えているように,防災集団移転促進事業も検討する時期に来ているのではと考えております。近年頻発する自然災害により,県民の防災意識が高まりつつある今こそ,安全・安心の地域づくりに取り組むチャンスと捉えていくことが必要と考えます。地域防災力の充実強化を図るため,どのようなことが必要と考えられていますでしょうか。また,それを実現するため,どういった施策をされているのでしょうか,危機管理監の御所見をお願いいたします。

 次に,様々な場面での活躍が期待されているドローンの活用について質問いたします。

 東日本大震災のとき,当時国土交通省東北地方整備局長をしていた岡山県出身の徳山日出男氏の手記の中に,震災が起こり,まず最初にしたことが,ヘリコプターで空から状況を把握することだったとありました。今日では,ドローン(無人飛行機)で,災害の様子を上空から被災状況を撮影することができるようになっています。国は,既に被災状況調査にドローンを取り入れており,平成30年7月豪雨災害では,実際にドローンによる被災状況調査が実施されました。また,津山市では,災害時にドローンを活用して,被災現場の情報収集・分析などを行うため,7月に東京のNPO法人全国G空間情報技術研究会と協定を結んだと聞いています。

 岡山県は,今年度から,ドローン活用災害対応力強化事業として,試験的にドローンを導入し,落石発生箇所等を調査などに用いることとしています。ドローンが活躍するような状況にならないことにこしたことはないのですが,もし自然災害が発生した場合,今回導入したドローンによる迅速な被災状況の把握が期待されます。ドローンの導入に期待する効果や課題,今後の取組などについて,土木部長に御所見をお願いいたします。

 次に,最近耳にすることの多い人工知能,いわゆるAIの活用について質問いたします。

 三重県は,人工知能(AI)を活用した虐待対応システムの実証実験を行ってきました。迅速な対応方針の決定に効果があったとして,三重県内にある6か所の児童相談所で本格運用を始めたそうです。AIを活用した虐待対応は,全国初で,複数の自治体が関心を寄せているそうです。虐待の増加が社会問題になっている中,画期的なことではないかと考えます。三重県が導入した虐待対応支援システムは,産業技術総合研究所が開発しており,システムを搭載したタブレット端末125台を配備し,購入費や運用コストを含めた関連経費は,約1億2,000万円となっています。あくまで職員の判断をサポートする補助的なツールとの位置づけですが,児童相談所の職員が児童の年齢やけがのある部位,種類などを入力すると,AIが三重県内で過去に対応した虐待対応の記録約6,000件を基に,一時保護の必要性をパーセンテージで算出するほか,虐待の再発率や支援・終結までの日数を瞬時に予測することです。昨年7月から約1年間,三重県内2か所の児童相談所で行った実証実験で,虐待対応支援システムのメリットが確認できたことから,導入を決定したそうです。職員は,虐待対応支援システム搭載のタブレット端末を持ち運ぶため,訪問先の家庭,待機時間中などの場所や時間を選ばずに記録の入力が可能になっています。また,虐待対応支援システム上で,過去の類似例の閲覧も可能であり,わざわざ児童相談所に戻って必要な情報を探し出す手間を省くことができています。虐待通知を受けてから,初期対応後の記録保存を終えるまで,最大で約26時間かかったケースが10時間ほどに短縮できた例もあったとのことです。

 今,お話しした三重県の例にもあるように,新しい技術を取り入れることで,職員の手間を省き,判断の一助となり,大幅に時間を短縮することが可能になります。正しい判断の助けになることや時間短縮は,子供たちを虐待から守ることにつながると思いますし,職員のストレスの軽減や勤務時間の削減にも役立つと思います。岡山県の児童相談所では,年間1,000件以上の虐待相談受付があり,三重県が導入した虐待対応支援システムと同じような新しい技術を導入することは,大きなメリットがあるのではないでしょうか。今後の対策として検討していただきたいと思いますが,保健福祉部長の御所見をお願いいたします。

 最後に,令和2年2月議会でも質問させていただきましたが,肉用牛肥育経営安定交付金,いわゆる牛マルキンに関してお伺いいたします。

 先ほど,笹井議員さんもおっしゃっておりましたけれども,牛マルキンは,畜産経営の安定に関する法律に基づき,販売価格が生産費を下回った場合に,その差額の9割相当額の金額が交付されるものです。御承知のように,新型コロナウイルス感染症の影響により,インバウンド,つまり外国人観光客の減少はもとより,外食産業の需要低迷で,国内の牛肉の消費が落ち込み,流通が滞ることによる枝肉価格の下落が農家経営を圧迫しています。要件を満たせば,先ほど説明した牛マルキンの交付はあるものの,赤字部分の1割は生産者の負担となります。1割であっても,赤字額が膨らめば,当然その負担額も膨らみ,経営に大きな影響を及ぼします。そもそも交付金の4分の1は,生産者の積立てであります。比較的事業継承ができつつある肥育農家でありますが,この時期,経営継続が大変難しい状況となっております。自宅で過ごす時間が多くなるステイホームの状況下では,価格のお手頃な豚肉,鶏肉の消費が進みます。

 県では,県産和牛肉の需要拡大を図るため,県産和牛肉を学校給食に提供する予算を6月補正で計上し,9月から提供を開始することとしています。また,県産牛肉銘柄推進協議会は,6月29日から9月30日までの3か月間,「お肉orお花もえるキャンペーン」として,応募要件を満たせば,5,000円相当のおかやま和牛肉かアレンジメントフラワーが抽せんで当たるキャンペーンを実施しており,多くの応募があるとお聞きしております。県産和牛肉のPR,消費拡大に御協力をいただいていることは承知しておりますが,ここは特段の御配慮を国にも働きかけていただき,また,何かこの谷底を越えられるような,県内畜産農家を支援する政策をお願いしたいと思います。現在,県が把握している県内畜産農家の状況や問題,県の取組,今後の対応について,農林水産部長にお伺いいたします。

 以上,よろしくお願いいたします。


【答弁】


◎危機管理監(塩出則夫君)  自由民主党の田野議員の質問にお答えいたします。

 地域防災力の充実強化についての御質問でありますが,頻発化・激甚化する風水害や,今後,発生が見込まれる南海トラフ地震などに備え,防災施設の整備は着実に進める必要がありますが,災害から命を守るためには,住民が主体となって適切な避難行動を取ることが重要と考えております。このため,地域住民に対し,避難情報など,防災情報の活用について啓発を行うとともに,避難のタイミングや避難場所等を盛り込んだ計画の策定,防災訓練の実施など,自主防災活動の活性化に努めているところであります。引き続き,市町村や関係団体と緊密に連携しながら,自助・共助の取組を積極的に支援するなど,地域防災力の充実強化を図ってまいりたいと存じます。

 以上でございます。

◎県民生活部長(伊藤敦哉君)  お答えいたします。

 送りつけ商法についての御質問でありますが,直近のデータでは,今年4月から8月までの間,県消費生活センターに寄せられている3,823件の相談のうち,悪質商法に分類される相談は73件,そのうちお話の送りつけ商法に関する相談は9件となっております。県では,テレビやラジオを通じて被害防止を呼びかけるCMを放送するほか,悪質商法の手口や対処法を紹介する出前講座を実施するなど,被害防止に努めているところであります。こうした取組に加え,今後,高齢化の進行や成年年齢の引下げなどにより,高齢者や若年者が被害者となる事案の増加が懸念されることから,各種講座などを通じて,地域ぐるみで被害の未然防止を図る仕組みづくりを働きかけるなど,被害防止に向けた取組を進めてまいりたいと存じます。

 以上でございます。

◎保健福祉部長(西嶋康浩君)  お答えいたします。

 虐待対応支援システムについての御質問でありますが,児童虐待への対応は,迅速かつ的確に行うことが求められており,三重県が導入したシステムは,こうした課題に着目した新しい取組であります。しかしながら,導入に当たり多額の費用が必要になることから,費用の低廉化やシステムの有用性,AIの判断が的確かどうかといったことを見極める必要があると考えており,今後の運用の実績や導入の効果などを注視してまいりたいと存じます。引き続き,市町村や関係機関とも緊密に連携し,子供を虐待から守り,健やかに育む社会の実現を目指してまいりたいと存じます。

 以上でございます。

◎農林水産部長(槙尾俊之君)  お答えいたします。

 畜産農家への支援についての御質問でありますが,和牛枝肉価格は,今年4月時点では,対前年比で約70%と大幅に下落し,徐々に回復してはいるものの,7月の肥育牛1頭当たりの収支は約15万円の赤字となっており,依然として厳しい経営が続いていると承知しております。こうした中,県では,消費拡大対策を充実強化するとともに,国の新型コロナウイルス感染症対策支援事業が円滑に導入されるよう,農家を支援することで,その経営安定を目指しているところであり,また,国に対しても,全国知事会を通じ,支援対策の拡充を要請したところであります。今後とも,国の畜産クラスター事業等の活用による生産基盤の強化をはじめ,飼育管理技術の高度化や家畜改良による生産性の向上など,経営体質の強化に取り組み,和牛の肥育経営が将来にわたって維持できるよう,引き続き,支援に努めてまいりたいと存じます。

 以上でございます。

◎土木部長(原田一郎君)  お答えいたします。

 ドローンについての御質問でありますが,ドローンの導入効果については,災害時の状況把握が迅速かつ安全に行えることや,公共土木施設等において目視が困難な箇所の点検が容易になることなどが期待されます。今年度,2地域事務所にドローンを配備し,被災箇所の調査や県管理道路の落石箇所の調査などに活用しておりますが,さらに橋梁やダム等の点検などへも活用を拡大していくためには,まずは操縦者を育成し,操作技術の向上を図ることなどが課題であると考えております。今後,ドローンをより効果的に活用するためのマニュアルを策定し,県民局と地域事務所に順次ドローンの配備を行い,点検業務の効率化を進めるとともに,災害対応力の強化に取り組んでまいりたいと存じます。

 以上でございます。

◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。

 薬物についてのうち,普及啓発についてでありますが,子供たちを薬物の危険から守るためには,薬物乱用防止教育は大変重要であると考えており,学校においては,保健体育などの教科での指導はもとより,生徒会における保健委員会の活動など,学校教育全体を通じて行っております。また,薬物等に関する専門知識を有する警察職員や学校薬剤師等にも協力いただき,薬物乱用防止教室を多くの公立学校において年1回以上開催しております。薬物乱用を取り巻く状況は,年々変化していることから,絶えず最新の情報に基づいた指導ができるよう,教員を対象とした研修会を定期的に開催することで,指導力の向上を図っており,引き続き,薬物乱用防止教育の一層の充実に努めてまいりたいと存じます。

 以上でございます。

◎警察本部長(扇澤昭宏君)  お答えいたします。

 薬物についてのうち,監視体制などについてであります。

 現在,県警察では,インターネット・ホットラインセンターから情報を入手しているほか,覚醒剤110番への通報やサイバーパトロールの強化などにより,インターネット上の情報の収集・監視に努めているところであります。また,昨年中は,覚醒剤事犯で99人,大麻事犯で61人を検挙しておりますが,その中にはSNSを利用して覚醒剤を入手したものが含まれているほか,薬物の使用をあおったり唆す書き込みをするなど,薬物の密売・乱用を助長する行為に対しても厳正に対処しております。

 課題といたしましては,インターネットの特性上,匿名性が高く,行為者を特定することが困難であることや,全国に及ぶ広域性などから,末端乱用者を検挙しても上部組織の摘発などに広範囲な捜査が必要となるといったことがあります。

 県警察では,こうした課題に対応すべく,通信事業者との緊密な関係の構築や,専門的知識を有する者の中途採用や,部内外の研修制度等による人材の育成を行い,組織的な対処能力の強化を図るとともに,他県警察や税関,海上保安庁などの関係機関と連携した合同捜査などを推進しております。また,プロバイダーへの削除依頼などの措置を講じているほか,県や関係機関と連携を図りながら,薬物乱用防止教室の開催など,薬物の危険性や有害性を周知するとともに,インターネット上の違法情報などに決して手を出すことのないよう広報啓発活動にも努めております。

 以上でございます。


【田野孝明 県議会議員】

 大変前向きな答弁をありがとうございました。

 今後,ますますインターネットの環境は整備されてくると思いますので,便利になる一方,個人が簡単に薬物を手に入れることができる状況も考えなければなりません。新しい道具は,いいことよりも悪いことに使われることが結構ありますので,違法薬物により事件・事故に巻き込まれては,安全・安心の社会とは本当に言えません。事件・事故が起こった場合に,犯人が「誰でもよかった」というような言葉を発することだけは,あってはならないと思っておりますので,どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。

 そして,本当に牛マルキンのことについて,ありがたい答弁をいただきました。子牛が高いときに購入して,今年いろいろな祭典があるということで,生産者は期待に胸を膨らませて業をしていたと思いますけれども,このコロナで大きな打撃を受けました。もう一つ,本当に畜産農家が希望を持てる,そういう政策をこれからもお願いすることで,私の質問を終わります。ありがとうございました。


~以上~


【質問】

 自由民主党の田野孝明でございます。

 初登壇の昨年6月議会から9か月がたち,2回目の質問になります。本日も,コロナウイルス感染防止が叫ばれる中,遠路はるばる傍聴にお越しいただき,誠にありがとうございます。

 早速,通告に従い,質問に入らせていただきます。

 毎年,日本各地で自然災害が発生しており,昨年9月から10月にかけて首都圏を直撃し,記録的な大雨となった台風が記憶に新しいところでございます。台風による災害は,毎年発生しておりまして,他県で発生したものであっても,我が事として捉え,次の出水期に向けて日頃からどのように備えておかなければならないのか,どのような対策ができるのかを考えていかなければなりません。

 9月9日に台風第15号が千葉市付近に上陸いたしました。この台風が通過したコースは,三浦半島を通過し,東京湾の内側から外側へ抜けるもので,非常に強い勢力を保ったままで関東に近づいていくという,過去にはあまり例のないものでありました。50年に一度と言われる暴風が吹き荒れ,千葉県や神奈川県を中心に1,000本以上の電柱が損壊するなど,ひととき93万戸近くが停電をいたしました。中には,木が倒れかかったことが原因で電力の復旧に1週間もかかったところがありました。岡山県の北東部,津山市勝北,奈義町,そして私の地元であります勝央町では,広戸風が吹きます。風害への対策はなかなか難しいものがありますが,どのような備えをすれば被害を減らすことができるのか,改めて考えさせられました。

 また,10月12日,記録的な大雨となった台風第19号では,千曲川や多摩川などが氾濫し,全国71の河川で100か所以上の堤防が決壊いたしました。一昨年,岡山は,豪雨災害を経験し,水害の恐ろしさは県民誰もがよく理解していると思います。今回の台風第19号による被害の原因を京都大などのチームが日本気象学会の論文に発表したことで,昨日山陽新聞に出ておりました。十分な対策を行うことの重要性を改めて認識させられました。

 そこで,お伺いいたします。

 一昨年7月の西日本豪雨,昨年の台風19号のような災害が発生した場合に,岡山県内の被害を最小限にとどめることに関して,県民の期待は非常に大きいものがあります。水害への備えとして,県では,豪雨災害によって決壊した河川や被災したところの改良復旧工事等に取り組んでおられるところで,当然これも非常に重要なものです。こうした工事を進めていくとともに,定期的に河川の堤防を確認し,壊れているところは速やかに修繕するなど,日常的な取組によって安全性を保つことも,県民の期待に応えるものだと思います。また,河川に堆積している土砂をしゅんせつして,十分に流下能力を確保しておくことも,同じく県民の期待に応えるものです。来年度予算案では,新ふるさとの川リフレッシュ事業が大幅に増額されており,こうしたものをしっかり進めていただき,まずは次の出水期に向けて,水害に十分な備えをしていただきたいと思いますが,土木部長の御所見をお願いいたします。

 次に,11月議会でも先輩議員諸氏が質問されましたが,自衛隊との連携についてお伺いいたします。

 昨年12月4日,アフガニスタン東部で,農業支援などに取り組んでいた中村哲医師が乗った車が銃撃され,ボディーガードを含む6人が亡くなりました。心から御冥福をお祈り申し上げますとともに,この理不尽に人の命を奪う行為に憤りを感じた次第でございます。日本国内の平和という点におきましては,改めて十分に保たれていることに関係の方々に深く感謝するものでございます。平和は,ただ単に待っていても訪れるものではなく,抑止力としての自衛隊の方々の日々の訓練に思いを致し,ふだんから緊急事態に備えておくことは,大変大切なことだと考えております。今回のような新型肺炎の危険性がある中で,別の災害が発生した場合の対処などを想定してみると,安閑としてはおられません。

 昨年,岡山県防衛議員連盟で福岡県庁をお訪ねしました。福岡県では,知事と自衛隊,警察,消防等の方々とのトップ会談を設けておられまして,様々な訓練を実施していました。伊原木知事には,初当選されて間もなく,日本原駐屯地にお越しいただき,感謝申し上げます。一昨年の豪雨災害での自衛隊の方々の御尽力に対しまして,改めて自衛隊の大切さを認識いたしました。11月議会での小林孝一郎議員のトップ会議を開催してはどうかとの一般質問に対しまして,知事は,関係者が一堂に会する岡山県防災会議を毎年度開催しているとお答えになりましたが,私としては,1対1での会談を行って,今よりも一層緊密な関係を築けないものかと思っておりますので,ぜひ御検討いただければと思います。また,自衛隊の方々への感謝の思いは言い尽くせないとの御答弁もありました。その思いを胸に,改めて日本原駐屯地に足をお運びいただけないかと願うものであります。自衛隊員の士気も大いに上がることは,間違いありません。知事の御所見をお伺いいたします。

 次に,いじめの問題についてお伺いいたします。

 神戸の小学校で教師によるいじめの調査結果が2月21日に発表され,改めて驚きました。「いじめは駄目だ」と子供たちに教え,正しい道へと導かなければならない教師が子供たちの目の前でもいじめを行っていたとは,言語道断の話であります。そうした場面を見た子供たちが,いじめを行うことに対する罪悪感を失ってしまったり,相手の立場に立って考えられないなど,子供たちの健全な心の育成に悪影響がないように願ってやみません。

 昨年10月,文部科学省から「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査結果」が発表されました。全国の国公立,私立小中学校と高等学校,特別支援学校における昨年度のいじめの認知件数は,54万3,993件で過去最多だったとのことでありました。認知件数のうち,いじめ防止対策推進法に規定する,骨折など心身に大きな被害を受けた重大事態の発生件数は,602件で前年度の約1.3倍になっています。文部科学省の担当者は,認知件数が大幅に増えた要因について,「いじめを広く定義した平成25年施行のいじめ防止対策推進法を踏まえ,積極的な認知を求めてきたことが大きい」と説明し,問題解決の第一歩として肯定的に捉えているようですが,実際のところはどうなのでしょう。

 そこでまず,岡山県内の小中高でのいじめの状況と増減の原因について,教育長の御所見をお伺いいたします。

 また,国公私立小中学校で年間30日以上の不登校となったものが16万4,528件,そのうちいじめが原因となったものは1,037件,国公私立の高等学校では全体で5万2,723件,いじめが原因となったものは208件とのことです。また学校から報告があった児童生徒の自殺者は332人,前年度から82人増え,うち9人はいじめの問題があったとのことです。332人のうち,小学生は5人,中学生は100人,高校生は227人で,中学生は昨年より16人増え,高校生は昨年より67人増えています。この調査によって,どこまで正確に児童生徒の状況を把握できているのかという問題はあると思いますが,いずれにしましても,いじめが原因となって不登校になることや,自らの命を絶つといったことはあってはなりません。いじめを原因とした不登校や自殺はもちろんのこと,いじめそのものを根絶することについて,教育長の強い決意をお聞かせください。

 次に,情操教育についてお伺いいたします。

 教科等の年間授業時数につきましては,教育活動が年間35週以上にわたって行われることを前提にしており,1週間に1時間の授業が行われるとすれば,年間35時間ということになります。そうした中で,小学校高学年の音楽,図画工作の授業は,18年前は70時間あったものが現在50時間に減っております。体育の授業に関しては,105時間から90時間になっており,これもまた授業時間が減っている状況にあります。

 以前,音楽の先生にお話をお伺いいたしました。小学校の情操教育は重要だという認識を忘れてはいけないのではないでしょうかと疑問を呈しておられました。その先生がおっしゃるには,子守歌を歌っている児童は1割だそうです。今どきのお母さんは子守歌を歌っていないことが原因であり,一方,子供にはスマホを与えているので,保育園児からスマホがいじれる,これでいいのでしょうか。家庭も学校も余裕がなくなってきている。いま一度心を育てる教育にも挑戦してほしいといった,その先生が日頃考えておられる音楽教育の重要性に対する様々な思いをお聞きして,改めて学校での情操教育の時間について考え直してみました。

 教育県岡山の復活は,大変重要なことであり,新晴れの国生き活きプランでは,学力向上プログラム,徳育推進プログラム,グローバル人材育成プログラムの3プログラムを掲げて,様々な取組を行ってきております。徳育推進プログラムでは,重点施策として,道徳教育の充実による規範意識の確立が挙げられており,「子供たちの規範意識や人間関係構築力,自尊意識を高め,豊かな情操を育むため,学校教育全体を通じて様々な体験活動等を交えながら,道徳教育の充実を図る」という内容が記載されております。私は,音楽,図画工作,体育の授業を通じて,この生き活きプランに掲げられた徳育推進プログラムの重点施策がより一層進められるのではないかと思っています。持って生まれた個性を発揮し,クラスメートたちと一緒になって一つの作品を創り上げること,物事をよく観察して表現すること,クラスやチームで一丸となってスポーツなどに取り組むこと,それぞれが豊かな情操を育むことに効果があると思います。

 先日,2月15日に津山では,今年31回目を迎えた幼児音楽祭がありました。それはそれは見事な発表会となりました。一生懸命練習した幼児たち,その子供たちを指導した先生や保母さんたちにとりまして,その経験は後々に大きな意味を持つものと思いました。

 昨年,成功裏に終わりましたラグビーワールドカップ2019年の効果もあり,にわかラグビーファンが増えました。私もその一人ですが,「One for all,All for one」とは,「一人はみんなのために,みんなは一つの目的のために」という意味であります。音楽,図画工作,体育の授業を通じ,昨年の流行語大賞にもなったワンチームの精神を子供たちが学び,学校生活の中で豊かな情操を育んでいくことは,極めて重要なことだと思います。音楽等の授業を通じた情操教育について,教育長の御所見をお願いいたします。

 次に,鳥獣被害について質問をいたします。

 昨今,勝田郡奈義町ではカラスが異常に増えております。群れをなして朝,夕,電線にとまっているカラスは,景色を真っ黒にしてしまっていて異様です。飛んでいるときも空が黒く見えるぐらいです。地域では,和牛の肥育農家が大切に育ててきた出荷前の牛が死んでしまうという被害が出ました。牛の餌を入れているところを飼槽と言いますが,牛の餌をカラスが食べて,そのときその飼槽の中でふんをして,牛は餌と一緒にそのふんを食べてしまう,そのふんが牛にとってよくないわけであります。かつてはぱんぱんに張ったホルスタインの乳房に浮き出た血管をつつき,出血をさせたために死亡したり,病気になるなどの被害がありました。また,子牛の目をつついたりという被害も出ています。黒大豆,野菜などの農産物新芽の食害も発生しております。カラスから農産物を守るために農業者が自ら取り組むことのできる効果的な対策として,田畑を防鳥ネットで覆うなどの対策もあるようですが,経費のこともあり,農業者が取り組むのは,大変なことだと思います。日本に生息している主なカラスは,くちばしの形によってハシブトガラスとハシボソガラスに分けられます。ハシブトガラスは肉類を好み,ハシボソガラスは植物を好むそうですが,巣がどこにあるかはまだ分かっておりません。以前はおりによって駆除を進めていこうとしていたようですが,現実に大量に生息しているカラスを見ると,今はうまく運用できていないように感じております。いろいろと努力はしているようですが,農畜産業を守るために必要な駆除ができているのかというと,程遠いのが現状であります。

 そこで,農畜産物をカラスの被害から守るために,被害対策の専門家の現地派遣をし,生息に関する実態調査を行った上で,市町村とも連携をした広域的な対策をお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか,農林水産部長にお伺いいたします。

 最後に,酪農についてお伺いいたします。

 日米貿易協定が1月1日に発効されました。畜産,酪農対策については,関税の削減によって外国産の牛肉などが増加すれば,畜産・酪農農家には大きな痛手になりかねません。さらに追い打ちをかけるように,今回の新型コロナウイルスの感染拡大防止策により,各種イベントの自粛,全国小中高の臨時休校の方針により学校給食の停止などで消費が減っております。現に,出荷価格が下落しており,深刻な状況にあります。国の肉用牛肥育経営安定交付金制度である,いわゆる牛マルキンによる肉用牛経営の安定を図る対策については,畜産農家の皆さん方の経営の大きな助けになるものです。それぞれの農家では,餌の工夫による品質の良い肉の提供のために涙ぐましい努力をされておられますので,県におかれましても,引き続き経営安定に対する支援をお願いいたします。また,何より県内で生産された牛肉や豚肉,牛乳などを県民の皆様方に消費していただくことが,大変大事なことですので,消費拡大のために積極的な取組をよろしくお願い申し上げます。

 酪農に関しては,搾乳などの重労働を毎日行っており,また生き物相手のため,十分な乳量になっているのか,乳質が悪くなっていないのか,牛が病気になっていないのかなど,片時も気の休まることはありません。そうしたことが背景にあるためなのか,酪農家は後継ぎが見つからず,高齢化が進んでおり,後継者の確保や育成が大きな課題です。自分の子供が後を継いでくれなかったり,自分が使っていた施設を引き続き使ってくれる第三者が簡単には見つからないので,何百万円もかけて施設を処分しているのが現状です。この酪農家の第三者への継承について,現在どのような取組を行っているのか,また取組を行った結果としてどのような成果があったのか,農林水産部長にお伺いいたします。

 また,やむを得ず廃業してしまった酪農家の施設にはまだ使えるものがあります。規模を拡大しようとしているところや新たに酪農に取り組もうとしている方々に,そうした施設を融通するような取組はできないのでしょうか,農林水産部長の御所見をお伺いいたします。

 以上,よろしくお願いいたします。


~ 答弁 ~


丁寧な御答弁ありがとうございました。

 治山治水は,継続して行われていかなければならないということなので,次の出水期に向けて何とぞよろしくお願い申し上げます。

 県北の川の状況は,しゅんせつしなければ,いつ真備町のようなことが起こるかもしれないという状況が多々あります。ぜひ皆様方,どうぞよろしくお願い申し上げます。

 前回,不覚にもインフルエンザになり,質問ができなかったので,今回ちょっと時期を逸した質問もございましたけれども,安全・安心の岡山県のためにも,あえて質問いたしました。コロナウイルスは経済的にも深刻さを増しております。ぜひ県北の生活にも光を当てていただきますよう,よろしくお願い申し上げます。要望です。ありがとうございました。



岡山県議会で第一声を上げさせていただきました。

1 農業について

(1)新規就農

(2)農家の事業承継

(3)農地集積

(4)所有者不明農地等

2 ごみに対する意識啓発について

3 岡山桃太郎空港の集客について

4 ひきこもりの未然防止について


動画リンク

質問内容(抜粋)

1 農業について

(1)新規就農

(2)農家の事業承継

(3)農地集積


 私は,選挙中,治山治水は,政治の要諦と訴えてまいりました。山を治め,水を治めることであります。古来より,人間の生活は自然災害との闘いでした。水は,上から下へ流れます。県北の水は,山間を通り抜け,川に流れ込むことで,県南に運ばれてまいります。治山治水を進めていくためには,県北で十分な取り組みが行われなければ,県南での治山治水は不十分なものになってしまいます。山や田んぼが,国土,県土を守っているという意味におきましても,農業や林業に携わる方々に,これまで以上の温かい目を向けていただくようお願い申し上げます。県北の方々は,自然との闘いの中で,そういう気概を持って農業や林業を考えておられます。選挙中も,そのことを強く感じました。特に,農業においては,農業従事者の高齢化が著しく,国においても,世代間のバランスのとれた農業就業構造にしていく必要があるため,とりわけ若い世代の農業者を育成することが重要と考えています。

 農林水産業・地域の活力創造プランでは,新規就農し,定着する農業者を倍増し,2023年に40代以下の農業従事者を40万人に拡大する政策目標を掲げ,新規就農に関する政策を展開しております。しかしながら,一方で,新規就農に当たっては,さまざまな課題があります。全国新規就農相談センターが実施した「平成28年度新規就農者の就農実態調査」におきまして,新規就農者の経営面での問題,課題として,最も多かったのが所得が少ないことでした。新しく農業にチャレンジするにしても,家業として農業を継承するにしても,所得が確保され,労働に対する喜びを感じることが就農者をふやす上で重要な視点であると考えます。県北の農業についても,人口減少と高齢化の中で,10年後のことを見据えた準備が必要であろうということは,前々から言われ続けてきたことだと思いますが,事業を承継する人材の確保に確かなものはないように見られます。果たしてそれでいいのでしょうか。10年後,さらにその先を見据えて,本県の農業が発展していくためには,若い人の力は必要不可欠です。若い人に農業の魅力をしっかりと伝え,農業の発展はもちろん,県土を守る後継者となっていただかなければならないと思います。若い人にとっても,魅力のある農業とするために,新規就農について抱える課題について,どのように対策を行い,農業についてもらう取り組みを進めていくのか,知事の御所見をお願いいたします。

  また,新規就農者をふやすことは,大変重要な施策でありますが,もう一つ忘れてはならないことは,農業の事業承継であります。

  国が公表している「農村の現状に関する統計」によれば,農家の人口に占める65歳以上の高齢者の割合は,平成30年で実に43.5%と,半数に届こうとしています。団塊の世代が70歳以上になり,今後,これまでにない大量離農時代がやってまいります。一方で,2015年の農林業の統計調査によりますと,全国では,販売農家戸数のうち後継者がいる農家は49%と,過半数を割っている実態となっています。私は,美しく緑広がる田んぼや畑こそが日本の原風景であり,何百年もの間,里山に暮らす人々が守り続けてきた宝であると思います。先祖代々受け継がれてきた農地を絶やすことなく,次世代に引き継ぐことが大変重要なことであります。

  そこで,お伺いいたします。

  本県でも,後継者不足に悩まれている農家は多いと思われますが,そのような農家の方は,県下にどのぐらいおられるのでしょうか。さらに,対象農家をどのように把握し,どう支援されているのでしょうか。また,事業の承継は,すぐにできるものではなく,ある程度の時間が必要です。今は,まだ元気に農業をされている方であっても,今後を見据えて準備をしておかなくてはならないと思います。早い時期から事業の承継を,啓発を行うべきと考えますが,あわせて知事の御所見をお伺いいたします。

  次に,農地中間管理機構事業,いわゆる農地バンク事業についてお伺いいたします。

  農地中間管理機構は,農地の集積・集約化に向けて,貸し手と借り手をコーディネートする組織として,平成26年度に全都道府県に設置されました。信頼できる農地の中間的受け皿として,新しく農業を始めたい方の強い味方でもありますし,日本の農業を抱える生産性の低さという課題を解決する手段としても,大きく期待されております。今国会においても,農地バンク改正法が成立し,農協などが担っている農地の集積・集約化事業を,バンクに統合一体化するなど,農地の集積の加速を目指したものです。農業者の高齢化や後継者不足等により,今後,ますます農地バンクへの農地貸付希望は増加すると見込まれます。しかしながら,先日の新聞報道では,小規模な農地が多い中山間地域では,農地集積が進んでいないとありました。農地の形状から,効率的な農作業が難しいとの理由により,借り手が見つからず,耕作放棄地がふえる原因ともなっています。意欲のある農業者に,農地を集積し,大規模化を促す取り組みが進められている中で,中山間地域を多く持つ本県も知恵を出し,農地集積を進めていかなくてはなりません。さらなる農地集積のために,県としてどのように取り組まれていくのでしょうか,知事にお伺いいたします。